WordPressの新しい世界、「FSE(Full Site Editing)」テーマ。
この記事では、これからFSEを触ってみたい方、すでに少し使ってみたけれど全体像がまだつかめていない方に向けて、やさしい言葉でポイントをまとめてみました。
はじめに
従来のWordPressテーマは「PHPファイルを編集して」「デザインを組み立てる」スタイルでした。
しかし、FSEテーマではサイト全体を「ブロック」単位で編集できます。プログラミングの知識があまりなくても、画面上で直感的にレイアウトやデザインを調整できるのが大きな特徴です。
※当ブログもFSEテーマを使用して作成しています。
FSEテーマとは?
- Full Site Editing(FSE):サイト全体をブロック1で編集できる仕組み
- 導入バージョン:WordPress 5.9以降
- 主な変更点
- ヘッダーやフッターもブロックで管理
- 投稿テンプレート(single.php 等)をブロックとして編集
- メニューやウィジェットも「パターン」や「パーツ」として扱う
FSEを学ぶ意味・価値
- 今後のWordPress標準に対応
- 公式でも「FSEが主流になる」と発表済みです。
- 早めに慣れておくと、将来のテーマ切り替えや新機能にも柔軟に対応できるようになります。
- デザイン自由度の向上
- コードを書かずに、ブロックをドラッグ&ドロップで配置できます。
- 画面を見ながら試行錯誤できるので、初心者でも安心です。
- 案件・自分のサイト運営で有利
- クライアントワークではFSE対応を求められる機会が増えることが予想されます。
- 自分のブログやポートフォリオのアップデートも容易になりそうです(ただし、好みは人によりけりでしょうが)。
FSE導入の背景
FSEが導入された背景には、以下のような理由があります。
- ノーコード編集への需要増加
- 例えば、競合サービス「Wix」や「Squarespace」ではドラッグ&ドロップなどで直感的にサイト作成が可能です。
- WordPressでも同様の操作感を提供し、幅広いユーザー層を取り込む狙いがありました。
- 競合サービスへの対応
- これまでWordPressはテーマ編集にPHPやHTMLの知識が必要でしたが、Wixは非開発者でも高品質なサイト構築を実現。
- FSEの導入により、コードに詳しくないユーザーでも柔軟にデザインをカスタマイズ可能になりました。
- 開発効率と保守性の向上
- ブロックベースの構造によって、テンプレートパーツを再利用しやすく一括管理が可能に。
- 大規模サイトでも更新作業を効率化し、メンテナンス負担を軽減できます。
FSEのメリット
- コーディング不要:ヘッダー/フッターもブロック操作だけでOK
- 統一デザイン管理:theme.json2 による色・フォント・余白の一元管理
- 自由な配置:ブロック単位でメニューやウィジェットを好きな位置に調整できる
- レスポンシブ対応:モバイル表示も同じ画面でプレビューしながら微調整が可能
- 再利用しやすい:一度作ったパターンやテンプレートパーツを他のページでも簡単に使い回せる
FSEのデメリット・注意点
- 管理が複雑に見える:テンプレートやパーツの階層(テンプレート、テンプレートパーツなど)が多く、一度戸惑うことも
- 微調整はCSS必須:ブロックだけでは解決できない細かいレイアウト調整にCSS知識が必要な場合がある
- プラグイン対応:古いプラグインと相性が悪いケースがあり、動作確認が必要
- 子テーマ作成が特殊:従来の子テーマと違い、theme.jsonやブロックテンプレートのコピーが基本になる
初心者~中級者へのおすすめステップ
- 公式テーマを触ってみる
- Twenty Twenty-Five/Frostなど、FSE対応テーマをインストール
- ブロックエディタでヘッダー・フッターを編集
- theme.jsonを読む
- 色やフォント設定の記述方法を実際に開いて確認
- 少しずつ数値を変えて、サイトデザインへの影響を試す
- テンプレートパーツを作成
- 繰り返し使う「カード」や「CTA(Call To Action)3」などをパーツ化してみる
- 自分のブログで共通部分として使い回してみる
- 子テーマからカスタマイズ
- シンプルな子テーマを作り、必要な部分だけオーバーライド
- block-templatesフォルダにテンプレートをコピーして編集
まとめ
FSEテーマは、「コードが苦手…」という方でも直感的に全体をデザインできる強力な仕組みです。一方で、管理構造が従来と変わるため最初は戸惑うこともあります。
しかし、将来のWordPress運用に備え、早めに学んでおいて損はありません。まずは公式のFSE対応テーマをインストールし、ブロック編集を体験してみましょう。その上で、theme.jsonやテンプレートパーツの作り方に挑戦すると、あなたのサイト制作スキルが一段とアップします。
参考資料
- Site Editor – Documentation – WordPress.org : サイト全体をブロックで編集できる公式ガイド
- ロードマップ – WordPress.org 日本語 : FSEがWordPressの今後の標準となることが示されている公式ロードマップ(ロードマップ原文:Roadmap – WordPress.org)
- A Complete Beginner’s Guide to WordPress Full Site Editing – WPBeginner : 初心者向けの解説記事
- What Is WordPress Full-Site Editing? – Smashing Magazine : FSEの概要とデザインへの影響についての詳細解説
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