テーマ・プラグインの改善提案・不具合報告をする上で考慮すべきこと

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WordPressを使っていると、「ここにこんな機能があればいいのに」「ここがもう少し使いやすければ最高なのに」と感じることがありますよね。

開発者への要望・リクエストは、プロダクトを成長させる貴重なエネルギー源です。しかし、伝え方一つで「すぐに採用される提案」になるか、「後回しにされる提案」になるかが決まることもあります(もちろん、そうならない場合もありますが)。

今回は、開発者の心に響く提案のコツと、惜しくも却下された時のスマートな次善策について解説します。

目次

「良い提案」の3つの共通点

開発者は日々、膨大なタスクを抱えています。その中で「これは対応すべきだ」と判断してもらうには、以下の3要素を意識しましょう。

1. 「なぜ(Why)」を具体的に

単に「機能が欲しい」ではなく、「どんな時に、何に困っていて、どう解決したいか」という背景(ユースケース)を伝えます。

「カレンダー機能をつけてください」とだけ伝えるのではなく、「イベント運営のブログを書いており、記事一覧から直感的に開催日を探せるように、カレンダー形式の表示オプションがあると助かります」と状況をできるだけ丁寧に伝えるのが良いでしょう。

2. 汎用性(他のユーザーにも役立つか)

「自分だけが便利になる」機能は、全体の設計を複雑にするため敬遠されがちです。開発チームの時間も無限ではなく、求めている方以外のことも考慮しないといけません。ニッチすぎる要望のため全体の改善が遅れるとなれば、何のための改善案なのか分からなくなります。

この機能があれば、〇〇系のサイトを運営している全ユーザーの利便性が上がる」といった、プロダクト全体の価値を高める視点を添えましょう。

3. 再現性、具体性、客観的なデータ

不具合の報告やUIの改善提案なら、「スクリーンショット」や「利用環境(ブラウザ・OS・WPバージョン・使用しているプラグイン等)」は必須です。不具合であれば、発生時の手順も添えていただけると尚良いです。

言葉だけで説明するよりも、画像やデータなどを添えていただく方が状況が分かりやすくなり、情報を正確に伝えられるメリットもございます。

望ましい提案 vs 望ましくない提案

具体的に、どのような書き方が好まれるのか比較してみましょう。

ケース1:新機能の追加を依頼する場合

望ましい例

いつも素晴らしいテーマをありがとうございます。 現在、技術解説ブログを運営しており、情報の鮮度を読者に伝えるために「公開日」ではなく「最終更新日」をカード型レイアウトに表示したいと考えています。

設定パネルで「投稿日」か「更新日」を選択できるオプション、あるいは両方を表示するトグルスイッチがあると、私のような情報発信サイトを運営する多くのユーザーにとって有益かと思います。ご検討いただけないでしょうか。

ポイント: 具体的なユースケース(情報の鮮度)と、他のユーザーへの汎用性が示されています。

望ましくない例

記事一覧に『最終更新日』を表示できるようにしてください。あと、ついでに文字数も表示できると便利だと思います。よろしくお願いします。

ポイント: なぜ必要なのか(背景)が不明です。「ついでに」という言葉は、開発者に「簡単にできるだろう」というプレッシャーや、際限ない要望への警戒心を与えてしまいます。

ケース2:不具合・バグの報告をする場合

望ましい例

バージョン2.1にアップデートしたところ、モバイルメニューが重なって表示される現象が発生しました。

  • 環境: iOS 17.2 / Safari
  • 再現手順: メニューをタップして開いた後、画面をスクロールすると発生
  • 確認済み事項: 他のプラグインをすべて無効化しても発生しました
  • 添付: スクリーンショットを添付します

お忙しいところ恐縮ですが、ご確認いただけますと幸いです。

ポイント: 環境・再現手順・切り分け(他のプラグイン無効化)が揃っているため、開発者はすぐに原因特定に着手できます。

望ましくない例

スマホで見たときにメニューが崩れています。直してください。

ポイント: 情報が少なすぎて、開発者は「再現」ができません。調査に時間がかかるため、対応が後回しになりがちです。

ケース3:UI/UX(使い勝手)の改善を提案する場合①

望ましい例

プラグイン愛用させていただいております。1点提案なのですが、現在の「高度な設定」タブにある項目のうち、広告に関する設定だけを独立した「広告設定」タブに移動させるのはいかがでしょうか。

現状だと項目が多く、目的の設定を探すのに時間がかかるため、このように整理されると新規ユーザーにとってもより直感的になると感じました。簡易的なイメージ図を作成したので添付します。

ポイント: 「現状の課題」と「具体的な解決策」がセットになっており、開発者が「なるほど、その方がスッキリするな」と納得しやすい内容です。

望ましくない例

今の設定画面は使いにくいです。もっとモダンなデザインにして、直感的に操作できるようにしてください。

ポイント: 「使いにくい」「モダン」は主観的すぎて、何をどう変えれば正解なのか分かりません。

ケース4:UI/UX(使い勝手)の改善を提案する場合②

望ましい例

設定項目が多すぎて使いにくいいつも愛用しています。1点提案ですが、現在一つのタブにまとまっている『デザイン設定』を、『色・フォント』と『レイアウト』の2つに分割してはいかがでしょうか。項目が整理されることで、初心者ユーザーも迷わず設定できると感じました。

ポイント: 課題と具体的な解決策、そして「新規ユーザーのためになる」というメリットが明確です。

望ましくない例

設定項目が多すぎて使いにくいです。もっと直感的に分かりやすくしてください。

ポイント: 「使いにくい」は主観的であり、具体的に何を直せばゴールなのか分かりません。

もし「見送り」になったら? 知っておきたい5つの理由

丁寧に提案しても、却下されることはあります。それはあなたのアイデアが悪いのではなく、以下のような「プロダクトを守るための理由」があるからです。

  1. 設計思想(コンセプト)の維持: 「シンプルさ」を売りにしている場合、多機能化を避けます。
  2. メンテナンスコスト: 機能が増えるほど、将来のバグ修正やテストの負担が激増します。
  3. パフォーマンスへの影響: サイトの読み込み速度が落ちるリスクを避けます。
  4. セキュリティ: 新しい入力項目は、脆弱性の入り口になる可能性があるため慎重になります。
  5. 汎用性の低さ: 1%の人にしか使われない機能より、99%の人に役立つ改善を優先します。

提案が通らなかった時の「次善策」

要望が受け入れられなかった場合のことも考慮しておくのは大切です。

例えば、以下のような手段をとることができるかもしれません。

  • 「フック」の追加を依頼する: 機能を直接追加してもらうのではなく、自分でカスタマイズするための手がかり(フィルターフックやアクションフック)の追加をお願いしてみましょう。これなら開発側の負担も少なく、採用率がグッと上がります。
  • 代替プラグインやコード片(Snippet)を探す: 既存の別プラグインや、functions.phpに追記するコードで解決できないか調査します。
  • 子テーマでカスタマイズする: 子テーマならではの利点をフル活用し、自分専用の拡張を行います。

求められる姿勢について

テーマやプラグインの開発者に全てをやっていただくという姿勢を貫くのはよくありません。

時には自チーム内で解決することも必要です。もし解決が難しいようであれば、専門家の方に対応に入っていただくなどの策を講じるようにしてください。

まとめ:リスペクトを込めたコミュニケーションを

WordPressの多くのツールは、開発者の情熱によって支えられています。提案の冒頭に「いつも助かっています」という感謝を添えるだけで、コミュニケーションは格段にスムーズになります。

あなたの提案が、素晴らしいプラグインをさらに進化させる一歩になるかもしれません。ぜひ、具体的で愛のある提案を届けてみてください。

お気に召しましたら是非ともシェアをお願いします!


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