WordPressを使っていると、やがて「PHP(ピーエイチピー)」という言葉を目にするようになります。
functions.phpにコードを追加する- テーマをカスタマイズする
- プラグインを開発する
- エラー内容を確認する
こうした場面ではPHPの知識が役立ちます。
しかし、WordPressユーザーの中には「PHPってプログラマー向けの難しいものでは?」と感じる方も少なくありません。
確かにPHPはプログラミング言語ですが、一般の利用者にとってはWordPressを利用する上で必要なのは専門家レベルの知識ではありません。
まずは、「WordPressはPHPで動いている」ということを理解するだけでも十分なスタートです。
この記事では、WordPress初心者向けにPHPの基礎中の基礎知識を分かりやすく解説します。
- 1. PHPとは何か
- 2. WordPressとPHPの関係
- 3. PHPを学ぶと何ができるのか
- 3.1. 処理内容を理解できる
- 3.2. エラーの意味が分かる
- 3.3. テーマをカスタマイズできる
- 3.4. プラグイン開発・ブロック作成の第一歩になる
- 4. PHPとHTMLの違い
- 4.1. HTML
- 4.2. PHP
- 4.3. WordPress上での扱い
- 5. PHPにおける初歩の初歩
- 5.1. PHP開始・終了タグ
- 5.2. echo
- 5.3. セミコロン
- 5.4. 変数
- 5.5. 条件分岐(if文)
- 5.6. 繰り返し処理(ループ)
- 5.7. 配列
- 5.8. 関数
- 6. WordPressで特によく見るPHP
- 6.1. add_action()
- 6.2. add_filter()
- 6.3. get_template_part()
- 7. PHPを学ぶなら何を優先すべきか
- 8. 初心者がやりがちな失敗例
- 8.1. 親テーマのfunctions.phpを編集する
- 8.2. コピペだけで理解した気になる
- 8.3. セミコロンの付け忘れ・括弧の閉じ忘れ
- 8.4. 本番環境で試す
- 9. 【余談】AI時代でもPHPを学ぶ価値はあるのか
- 10. まとめ
PHPとは何か
PHPはWebサイトを動かすためのプログラミング言語です。
正式には「PHP: Hypertext Preprocessor」という名称ですが、覚える必要はありません。重要なのは、「WordPressを動かしている言語」であることです。
例えば、あなたが投稿した記事は、単なるHTMLファイルとして保存されているわけではありません。
WordPressは、大まかには以下のような流れで動作しています。
- データベースから記事情報を取得
- PHPが内容を組み立てる
- HTMLを生成
- ブラウザへ表示
つまりPHPは、WordPressの裏側で働くエンジンのような存在です。
WordPressとPHPの関係
WordPressはPHPで作られています。
コアファイルを見ると、
index.phpwp-config.phpfunctions.phpsingle.phparchive.php
など、多くのPHPファイルが存在します。
例えば、以下のようなコードがあります。
<?php the_title(); ?>Code language: PHP (php)
これは「記事タイトルを表示する」という意味です。
記事タイトルが「WordPress初心者ガイド」となっている場合、ブラウザ上では、例えば以下のように表示されます。
WordPress初心者ガイドCode language: plaintext (plaintext)
つまり、PHPが実際に見える内容を生成・出力しているということです。
PHPを学ぶと何ができるのか
処理内容を理解できる
WordPressのカスタマイズ記事でよく登場するのがadd_action()やadd_filter()です。
PHPの基礎が分かれば、「なぜこのコードを書くのか」を理解しやすくなります。
エラーの意味が分かる
WordPressでは時々、Fatal errorやParse errorなどのエラーが表示されます。
PHPを全く知らないと、何が起きているのか分かりません。
しかし基本を知っていれば、
- セミコロン忘れ
- 括弧の閉じ忘れ
- スペルミス
などを見つけやすくなります。
テーマをカスタマイズできる
例えば、
- 記事下に広告を表示
- カテゴリーごとに表示変更
- 特定ページだけデザイン変更
などもPHPで制御できます。
プラグイン開発・ブロック作成の第一歩になる
初心者のうちは不要ですが、将来的に「自分専用の機能を作りたい」と思ったときにPHPの知識が役立ちます。
また、WordPress 7.0 以降では、PHPの知識のみで独自ブロックを作成することも可能になっています。
参考リンク
PHPとHTMLの違い
初心者が混乱しやすいポイントです。
HTML
ページの構造を主に担当しています。
<h1>タイトル</h1>
<p>本文</p>Code language: HTML, XML (xml)
以下の記事でも詳しく紹介しています。
PHP
WordPress上での実際の処理を行っています。
<?php
echo "タイトル";
?>Code language: PHP (php)
WordPress上での扱い
WordPressでは両方が混在しています。
例えば、以下の記述があったとします。
<h1><?php the_title(); ?></h1>Code language: PHP (php)
これは以下のような内容を生成しています。
<h1>記事タイトル</h1>Code language: HTML, XML (xml)
PHPにおける初歩の初歩
ここからは初心者向けに最低限知っておきたい内容を紹介します。
PHP開始・終了タグ
PHPは<?phpから始まります。
<?php
echo "Hello";Code language: PHP (php)
なお、終わりは ?> となっております。文末までPHPの記述が続く場合のみ、終わりの記号は省略可能です(初心者の方は、このような例外はあまり気にする必要はありません)。
echo
文字等を表示します。WordPressでも頻繁に登場します。
echo "こんにちは";
// 「こんにちは」と出力されます。Code language: PHP (php)
セミコロン
PHPでは命令の最後にセミコロン記号「;」を付けます。
echo "Hello";Code language: PHP (php)
この「;」の記述を忘れるとエラーになります。
変数
変数とは、データを入れておく箱です。
$name = "田中";Code language: PHP (php)
上記のように記載することで$nameに「田中」が保存されます。
表示するには以下のように記載します。
echo $name; // 「田中」と出力されます。Code language: PHP (php)
条件分岐(if文)
「もし○○なら」という処理です。
if ( 1 == 1 ) {
echo "正しい";
}
// 上記の例では、「正しい」と出力されます。Code language: PHP (php)
WordPressではよく使われます。例えば、以下の例ではトップページにおいて「トップページです」と表示されます。
if ( is_home() ) {
echo "トップページです";
}Code language: PHP (php)
繰り返し処理(ループ)
同じ処理を何度も実行します。
for ( $i = 1; $i <= 5; $i++ ) {
echo $i;
}
// 上記の例では、「12345」と出力されます。Code language: PHP (php)
配列
複数のデータをまとめて保存します。
$fruits = array(
"りんご",
"みかん",
"バナナ"
);
// 実行例。「りんご」という文字が出力されます。
echo $fruits[0];Code language: PHP (php)
関数
処理をひとまとめにしたものです。
function hello() {
echo "こんにちは";
}
// 実行例。「こんにちは」という文字が出力されます。
hello();Code language: PHP (php)
WordPressは関数の集合体とも言えます。例えば、以下の1つ1つも関数です。
the_title()
the_content()
get_header()Code language: PHP (php)
WordPressで特によく見るPHP
add_action()
処理を追加します。以下の例では、フッターに「テスト」の文字が表示されます。
add_action(
'wp_footer',
function() {
echo 'テスト';
}
);
Code language: PHP (php)
add_filter()
データを加工します。以下の例では、タイトルの前に★を付与できます。
add_filter(
'the_title',
function( $title ) {
return '★' . $title;
}
);
Code language: PHP (php)
get_template_part()
テンプレート等の部品を読み込みます。テーマ開発でよく使われます。
get_template_part( 'template-parts/content' );Code language: PHP (php)
PHPを学ぶなら何を優先すべきか
WordPressユーザーの場合、すべてを学ぶ必要はありません。
まず始めに覚えておくべきものとしては、以下の7点で十分です。
- 変数
- 配列
- if文
- 関数
- ループ
- add_action
- add_filter
何よりもまず、コードの意味を読めるようになることを目標にしましょう。
初心者がやりがちな失敗例
親テーマのfunctions.phpを編集する
親テーマのfunctions.phpを直接編集すると、テーマ更新時に消える可能性があります。
基本的には「子テーマ」や「Code Snippetsなどのプラグイン」などを利用しましょう。
コピペだけで理解した気になる
ネット上には大量のPHPコードがあります。当ブログでもサンプルコードがしばしば掲載されております。しかし、add_filter()やreturnなどの意味を理解せずに貼り付けるとトラブルになります。
最低限、「何をするコードか」「どこに影響するか」は確認しましょう。
セミコロンの付け忘れ・括弧の閉じ忘れ
セミコロンの付け忘れがエラーの原因になる旨については上記で説明しましたが、それ以外にも括弧の閉じ忘れもよくあるエラー要因でございます。
いざ記述する際は、丁寧かつ正確に進めることを心がけましょう。
本番環境で試す
PHPの記述ミスはサイト停止につながる場合があります。
可能であれば「テストサイト」や「ローカル環境」で試すことをおすすめします。
【余談】AI時代でもPHPを学ぶ価値はあるのか
昨今は生成AIの発達により、「コードを書けなくても大丈夫では?」と言われることがあります。
確かにAIはPHPコードを生成できます。しかし、以下のような対応を行おうと思えば、基礎知識が必要です。
- コードが正しいか判断する
- セキュリティ上問題ないか確認する
- エラーを修正する
特にWordPress運営者の場合、PHPを深く極める必要はありませんが、「コードを読める」状態になっておく価値は非常に高いでしょう。
まとめ
PHPはWordPressの心臓部とも言える存在です。
初心者のうちはプログラマーになる必要はありませんが、少なくとも以下の点を理解しておくと、WordPressの理解が大きく深まります。
- PHPはWordPressを動かしている言語
- HTML(ひいてはページ)を生成する元になる
functions.phpでよく使われるadd_action()やadd_filter()が重要- まずはコードを読めるようになることが目標
WordPressを長く使う予定であれば、PHPは避けて通れない知識です。しかし、最初から難しい参考書を読む必要はありません。まずは簡単なコードを読みながら、「この処理は何をしているのだろう?」と考える習慣を付けることから始めてみましょう。それだけでも、テーマやプラグインのカスタマイズに対する理解が大きく変わってくるはずです。


